崩壊するAppleの製品デザイン

僕はApple製品が好きだし、日頃からApple製品を愛用しているがあくまで僕個人の意見として、最近のAppleの製品のデザインは崩壊しているように感じている。

Mac miniやiMac、MacBookシリーズなどの昔から大きくデザインのコンセプトが変わっていない製品は問題ないのだが、マーケティング的にデザインを刷新せざるを得ないiPhoneやMac Proなどのデザインの質は近年低下していると強く思う。

僕はデザイナーではないし、デザインに関する深い知識があるわけでもないので、偉そうなことを言っているかもしれないが、それでもこうした近年のAppleの製品デザインには疑問を抱く。

iPhoneは2014年のiPhone 6から丸みを帯びた筐体・飛び出ているカメラ・背面のアンテナラインなどで、従来からのAppleファンからは不評を買ったし、僕自身もあのデザインはAppleらしくないと感じた。

2017年に登場したiPhone Xではオールスクリーンと謳ってはいたが、上部には小さいとは言えないノッチがあり、これまた一部のファンからは不評だった。

僕も「iPhone 10周年」につられてiPhone Xのデザインに疑問を感じつつもiPhone Xを購入して現在も使ってはいるが、長年使ってもこのノッチにはやはり完全に慣れることはなかった。

「ジョブズが生きていたら」という言葉は安易に使いたくないのだが、こればかりは「ジョブズが生きていたらあのデザインは許可しなかっただろう」と思った。

もっともiPhone Xの発売以後、多数のAndroidスマートフォンメーカーからもノッチ付きのスマホが登場し、ノッチは一種の”トレンド”となり、今では珍しいものでもないのだが...。

2019年の新型Mac Proにしても、Mac Proの無数の穴が空いた筐体は多くの人を良い意味でも悪い意味でも驚かせた。

僕は新型Mac Proの穴開きデザインはそれほど気にならなかったが、Pro Display XDRの背面の穴開きに関しては全く評価出来ず「なぜこのデザインでゴーサインを出したのか?」と思ったほどだ。

2019年 WWDC 基調講演

人によって印象は違うだろうが、僕としてはPro Display XDRの背面デザインは「気持ち悪い」というのが第一印象だった。

HDRに加えて6K・2000万以上のピクセルを駆動させ、更に高輝度化を実現したのなら、ある程度の冷却性能が必要なことは理解出来るが、こんな穴開きデザインにしなくてもメッシュ状にするとかスリットを設けるとか、他にも色々冷却の方法はあったはずなのだ。

Power Mac G4の背面デザイン
出典:Power Mac G4 MDD Teardown

過去には2000年代初頭まで販売されていたPower Mac G4の背面デザインでも穴開きデザインを採用したことはあったが、Pro Display XDRの背面の穴開きはあまりにも多く、穴同士の間隔も狭いため、Power Mac G4などの穴開きと比べて不快感と嫌悪感を抱きやすい。

現在のAppleの最高デザイン責任者はかの有名なジョナサン・アイブ(ジョニー・アイブ)であるが、iPhoneにしろ、Pro Display XDRにしろ、これらのデザインを見てなんとも思わなかったのだろうか。

iPhone Xのノッチと同じで、こういった穴開きデザインも一種の業界の”トレンド”となって、やがて気にならなくなる可能性もあるかもしれないが、現時点では正直このデザインには首を傾げてしまう。

macOSやiOSなどの”ソフトウェアのデザイン”は現在でもAppleは優れていると思うし、macOS Mojaveから導入されたダークモードはWindows 10などのダークモードと比べても一貫性があり、macOSの伝統的なデザインとも上手くマッチングしていて問題は感じないのだが、”ハードウェアのデザイン”に関してはAppleは著しく後退しているように思う。

唯一近年発売されたApple製品のデザインでスマートだと思ったのはiPad Pro 2018くらいじゃないだろうか。

それ以外の製品に関してはAppleの製品を愛用している僕ですら、擁護出来ないほど従来のAppleからかけ離れたデザインが多く、この先のiPhoneやMac製品の先行きが不安になってしまうほどだ。

僕は余程のことがない限り、これからもApple製品を使い続けるだろうが、僕としてはAppleの製品の強みの一つは”魅力的な製品のデザイン”にあると思っているので、いつかAppleからジョブズ時代のデザインを超えて、多くの人をあっと言わせるような美しい製品が出てくることを願う。